睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まる病気です。医学的には、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。
睡眠中に何度も息が止まると眠りの質が悪くなり、日中の眠気やからだの怠さなどの症状を引き起こし、社会生活に影響を及ぼすことがあります。また、血液中の酸素が欠乏することによって心臓、脳、血管に負担がかかり、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症を来たす危険が高まります。そのほか糖尿病、高血圧症などさまざまな持病への悪影響も報告されています。
日本における睡眠時無呼吸症候群患者は約500万人とされていますが、そのうち適切に治療を受けているのはせいぜい1割程度と言われています。この病気は治療によって劇的に改善することが多く、周りの人にいびきや無呼吸を指摘されたら早めに専門医療機関を受診することをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の
マウスピース治療とは?
いびきや無呼吸は、寝ている時に筋肉がゆるんで重力が加わり、下顎が後方に下がるとともに舌も奥へと入り込み、気道が圧迫されることで起こります。それを防ぐために用いられるのが、マウスピースです(スリープスプリントとも言われています)。マウスピースを装着すると、下顎を上顎より5~10mmほど前方に出した状態で、上と下の歯を固定するため、重力が加わりやすい仰向けで寝ていても下顎がさがらないようになります。そのため、気道が十分に確保され、空気の通りが楽になり、無呼吸やいびきが起こりにくくなります。